刑事事件と民事事件の違いとは?知っておくべき5つのポイント

刑事事件で逮捕された、あるいは逮捕されそうな場合、同じ事件が民事事件としても問題となり、後日、損害賠償を請求される可能性があることをご存知でしょうか。本記事では、刑事事件と民事事件の違いや、民事訴訟リスクへの備えについて解説します。

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目次

1. 刑事事件と民事事件の違

1-1. 当事者の違

  • 刑事事件国家(警察や検察)対個人(被疑者や被告人)の対立構造です。
  • 民事事件個人対個人の紛争です。例えば、借金の返済を求めるケース、土地建物の明け渡しを求めるケース、あるいは、損害賠償を請求するケースなど、私人間の権利や義務に関する問題が扱われます

1-2. 目的の違

  • 刑事事件犯罪の処罰を目的として、懲役や罰金などの刑罰が科されます
  • 民事事件私人間のトラブル解決を目的として、損害賠償や権利関係の確定が主な争点となります

1-3. 適用される法律の違

  • 刑事事件刑法や特別法(道路交通法、薬事法など)が適用されます。手続については刑事訴訟法が適用されます。刑事裁判を通じて犯罪行為が行われたと認定された場合、刑罰(生命刑、自由刑、財産刑など)が科せられます
  • 民事事件民法や商法、民事訴訟法などが適用されます。金銭的な補償や契約の履行を求めることが主です

1-4. 手続の違

  • 刑事事件警察や検察による捜査、検察官による起訴、裁判所での裁判という流れがあります。証拠は厳格に審査され、被告人の有罪を立証する責任は検察官側にあります
  • 民事事件当事者が訴訟を提起した場合、裁判所に対して原告被告双方が証拠を提出して主張を展開します。証明責任は当事者双方にあり、判決で請求が認められるようにするためには、証拠に基づいた説得的な主張を展開しなければなりません。

2. 刑事事件が終わったら民事訴訟は起こされない

刑事事件が終結したからといって、民事訴訟が発生しないわけではありません。刑事裁判で有罪判決を受けても、それだけでは被害の賠償は行われません。被害者が刑事手続で満足のいく解決を得られなかった場合、被害者は別途、民事訴訟を提起して損害賠償を求めることがあります

  • 窃盗事件で逮捕され有罪判決を受けた後、被害者は被告人に対して盗まれた金銭の返還や精神的苦痛に対する慰謝料を求める民事訴訟を起こすことが可能です

3. 刑事事件と民事事件の両方が問題となるケー

3-1. 交通事

  • 刑事事件自動車運転死傷処罰法違反など刑事責任を問われることがあります
  • 民事事件被害者は加害者に対して損害賠償を請求できます

3-2. 詐欺・横

  • 刑事事件詐欺罪や業務上横領罪では、刑事罰として10年以下の懲役が科される可能性があります
  • 民事事件被害者は詐取された金銭の返還や損害賠償を求めることが可能です

3-3. 性犯

  • 刑事事件不同意性交等罪や不同意わいせつ罪などの刑事責任を問われることがあります
  • 民事事件被害者は精神的苦痛や治療費に対する賠償を求める民事訴訟を起こすことがあります

4. 民事訴訟のリスクに備えるには示談が重

刑事事件が発生した場合、示談交渉によって後日、民事訴訟を提起されるリスクを大幅に減らすことができます。また、刑事事件においても、示談の成立は処分を軽くする方向に働く可能性があります

4-1. 示談の利

被害者の納得を得ることで民事訴訟を回避し、時間と費用を節約できます。また、和解金の支払いにより、被害者と和解し、将来の訴訟リスクを減らすことができます

4-2. 示談が成立しない場合のリス

示談が成立しないまま刑事手続が終了すると、その後に民事訴訟を提起される可能性が高まりま

5. 刑事事件で逮捕された・逮捕されそうな場合に刑事事件に強い弁護士への相談が重要な理

刑事事件に巻き込まれた場合、できるだけ早期に弁護士に相談することが重要です。刑事事件に強い弁護士は、刑事手続への対応だけでなく、示談交渉を通じて民事訴訟リスクの回避も図ることができます

刑事事件の処理は専門性が高く、迅速で適確な対応が求められます。特に、以下の点では弁護士の力量が問われてくるため、刑事事件に精通した弁護士のサポートが重要になります

5-1. 依頼者の権利擁護と不当な処遇の回

依頼を受けた弁護士は、黙秘を貫くのか、供述はするが供述調書への署名押印を拒否するのかなど、捜査の先を見通してベストな判断をする必要があります。黙秘権を行使するタイミングや供述内容について適切に助言するとともに、違法な捜査があった場合には、捜査機関に対して警告をすることで、捜査機関が法に基づいた捜査手続を行うよう働きかけます

5-2. 早期の問題解決や釈

弁護士に依頼することで、勾留決定がなされた場合は準抗告などの不服申立てを行うことで、釈放の可能性を高めていくことができます。さらに、その時点で把握できる証拠を精査し、被疑者とされている依頼者と綿密な打ち合わせをすることで、起訴を回避するための戦略を立てていきます。身柄の早期解放は、捜査機関による取調べの負担を軽減するだけでなく、依頼者のご家族の負担を軽減し、社会内でのダメージを極力減らすことができます。身柄の解放は、刑事事件において非常に重要な課題になります。

5-3. 示談交

被害者のいる事件の場合は、被疑者・被告人の代わりに弁護士が被害者と示談交渉をし、被害届を取り下げてもらうなどして、不起訴処分を得られる可能性を高めていきます。前述のように、刑事事件と民事事件の両方が問題となるケースにおいて示談は強力な意味を持ちます

5-4. 裁判の準

起訴された場合、裁判で最善の結果を得るために、無罪判決や難事件での執行猶予付き判決の獲得など、実績がある刑事弁護士の存在は、必ず依頼者の役に立つでしょう

まと

刑事事件と民事事件は別個の手続であり、刑事事件が終了しても民事訴訟を提起されるリスクは残ります。このリスクを回避するためには、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談し、ベストな示談交渉を行うことが重要です

当事務所では、刑事事件に関する豊富な経験を活かし、刑事手続への対応から示談交渉まで、一貫したサポートを提供しています。刑事事件に関わる問題は、人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。逮捕された、またはその可能性がある場合など刑事事件でお困りの方は、まずはご相談ください

このコラムが、刑事事件やその後の民事訴訟に関する理解を深める一助となり、弁護士への相談を促すきっかけとなれば幸いです

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